白鳥は「優雅」とか「美しい」という言葉を連想させてくれます。
富士五湖のひとつ、山中湖でも美しい白鳥の姿を見ることができます。
白鳥は世界的に見ても、日本国内でも特別珍しい存在でもありません。
山中湖の白鳥はそれほどそれほど有名な訳でもありませんが、富士山と白鳥となれば話は別です。
同時に見られるとなれば山中湖です。
私は山中湖の白鳥に魅了されたフォトグラファーですが、富士山と白鳥を狙って撮っている訳ではなく、
(そうしたい時もありますが…)
*白鳥の写真はギャラリーで公開しておりますので是非ご鑑賞ください。
元々は早朝の僅かな時間しか見ることのできない赤く染まった富士山、いわゆる「赤富士」や「紅富士」を狙って
夜明け前に撮影に出かけていました。
ところが、住んでいる河口湖の自宅で富士山が見えていることを確認してから家を出て
富士山が最も赤く染まる山中湖を目指して撮影に行ってみると、山中湖は霧に包まれて
富士山が見えないということを何度も経験しました。最初のうちは霧が晴れるまで辛抱強く湖畔で待っていましたが、
そんな時は大抵富士山が赤く染まる僅かな時間を過ぎてから霧が晴れてしまい、富士山が現れたとしても
狙った写真が取れないという状況が続きました。そんな時は渋々と狙いとは違う富士山を少し撮影して
「今日は残念だったなぁ」という気持ちで家に帰るか仕事に向かっていました。
そんな経験を積んでいるうちに山中湖に撮影に出かけて富士山が見えない時になんとなく
「今日は諦めよう」と思うようになりました。ただ、せっかく早起きして来たのだから
なに何も収穫なしでいつものように諦めモードで帰るより何か撮ってから帰ろうと考え、
「そうだ!山中湖には白鳥がいるんだ。」と気持ちを変えて富士山ではなく、白鳥を狙って撮影するようになりました。
富士山が霧で見えない…そんな時は逆に霧と朝陽を背景に浮かんで見える白鳥が引き立つ状況になります。
こういう言い方もおかしいかもしれませんが、私の撮っている白鳥の写真はいわば富士山撮影の副産物かもしれません。
兎にも角にもそんな訳で、富士山が霧で見えない状況になると白鳥を狙うといった撮影スタイルが確立されました。
そしていつしか白鳥を撮影しているうちに富士山と同じようにその美しい姿に魅了されるようになりました。
それから山中湖に行くと、赤く染まる富士山を狙って霧で富士山が見えない時には
自分の中で「がっかりする」という気持ちから「ワクワクする」という気持ちに変化しました。
そんなそんなことを繰り返しているうちに富士山の写真もですが、白鳥の写真もたくさん撮ることができました。
そして何度も通っているうちに白鳥のいろんな特徴や癖みたいなものもなんとなく掴んで
時々ですが、狙った写真も取れるようになりました。
こちらの写真は予め自分で狙っていた構図でカメラをセッティングして撮影できたショットです。
白鳥と気持ちが通じ合ったような…そんな瞬間でした。
デジタルカメラでは撮った後にすぐカメラの液晶モニターで確認できるので多くのカメラマンが経験するように
撮れた後のゾクゾクする感じがとても堪らなかったことをよく覚えています。
(最終的にはパソコンのモニターで見るまでは安心できませんが…)
富士山や周辺の自然を撮影する私にとって山中湖の白鳥たちの姿も重要な被写体になりました。
霧に包まれた湖はとても神秘的で、独特な雰囲気があります。
その中で優雅に湖を泳ぐ白鳥たちの姿の美しさを身近に感じられることに幸せを感じます。
今度は白鳥たちがどんな姿を見せてくれるのかとても楽しみです。